FFT_SSの日記

インターネッツにあるFFTのSSや小説を自分用にまとめてます。

【FFT SS】「新婚生活♪」

 

ざわついた雰囲気の街、機工都市ゴーグの中心から少し離れた静かな住宅街。

そこに一組の新婚夫婦が住み始めていた。

その夫婦とはラムザとアグリアスである。

 

オーボンヌ修道院に入る前日。その日は自由だった。最後になるかも知れないから。

そしてその日、2人はお互いの気持ちを打ち明ける。恋仲となったのだ。

最終決戦後、なんとか生き延びた戦友たち。長かった戦いは終わった。

ようやく本当の自由を手に入れる。

2人はお互いの気持ちは分かっていた。後はきっかけが欲しかった。

戦い後、なんとかアグリアスは2人きりになろうとして、

仲間達から少し距離を取り、

彼女にとっては大切な、ラムザからの言葉を待っていた。

しかしいつまで待ってもラムザはやってこない。

 

「ううう…遅い、遅すぎるぞラムザの奴ぅ…」

少し大きめの石に腰掛けて、アグリアスは暇そうに小石で地面に絵を書いている。

その絵はラムザのつもりらしい。かなりへたくそだが。。。

 

ちらりと遠くを見ると、ラムザは仲間たちにもみくちゃにされている。

「あいつ…私の事を忘れてるんじゃないだろうな?」

 

彼は仲間達に引っ張り回され、なかなか2人きりになれない。

ようやくラムザが皆から逃れて2人きりになれた時には、

アグリアスは頬を膨らませるように少し拗ねていたのだった。

 

「す、すいませんアグリアスさん、どうしても断れなくて…」

「……」

「ごめんねアグリアスさん…」

「……」

 

「アグリアスさん???」

「…ふんっ」

アグリアスは腕を組んだまま、ぷいっと横を向く。

けど決して本心からじゃなく、

横目でラムザの方をちらちらと見ては、彼からの優しい言葉を待つ。

 

そんな彼女の視線にラムザは少々慌てたが、その後はいつも通り優しく接する。

アグリアスはそれでも少し不満のようだったが、

2人きりになれたのがよほど嬉しかったのか、自然と表情が明るくなるのだった。

 

そして――――

 

 

「結婚して下さい…ずっとそばにいてください」

 

ラムザのプロポーズはいたってシンプルだった。

それでもアグリアスはその言葉をずっと待っていたかのように顔をほころばせる。

 

「…ぁ…は、はいっ」

彼からの告白があれば、自分をここまで待たせたんだから

ちょっといじわるな台詞の一つでも言ってやろうと思っていたのに、

嬉しさのあまり頭が真っ白になって、結局は何も言えなかった。

アグリアスは彼のまっすぐな視線と、何度も頭の中で繰り返されるさっきの言葉で

顔を真っ赤にして、ただただ固まっていたのだった。

ただこの瞬間が、アグリアスにとっては一生忘れられないものになった。

 

どちらともなく近づきあう2人。

ラムザの腕がそっとアグリアスの背に回される。

体を引き寄せられ、アグリアスは少し戸惑いを見せかけたが、

すぐに彼を受け入れ、彼に抱きつくように自分の体を預けた。

 

彼の暖かさを感じただけでどきどきする。

アグリアスは彼の求めに応じるように、静かに目を閉じて、

そして、愛する人と口づけを交わしたのだった。

 

(もうラムザの前では騎士ではない、これからは1人の女として生きよう…)

 

…と、まあこんな感じで、

2人きりになれたと思った彼らだが、すぐそこの角では、

みんながニヤニヤしながらその一部始終を見ていたのである。

 

「覗き見はいかん!」と言っていたオルランドゥ伯でさえ結局最前線で見ていた。

「バルバネス…お前の息子はついに一人前になったぞ…うぅ…」

どうも彼らを親の気持ちとして見ているのか、感動しているようだった。

 

「兄さん…ステキ…」

妹のアルマが目をうるうるさせている。

まるで自分が告白されたかのように、心をときめかせるアルマだった。

 

「やったね!やーっとだよ。やーっと!」

「ようやくだな。…けど、いつかはラファもああなるのかな…」

「当然。絶対になるわよ。ラムザよりいい男見つけてやるんだ~♪」

ラファとマラークはようやく一緒になったか、という感じであるが、

2人の幸せそうな姿を素直に喜んでいる。

 

「ねぇベイオ…坊やたちに先越されちゃったわよ?」

「うむ、俺達が先だと思ったんだが…まあ次は俺達だよ。そう急くなレーゼ」

「約束よ…うふふっ」

…相変わらずアツアツのお二人である。

 

「へへへっ、決める時は決めるなラムザの奴。」

ムスタディオはそうつぶやいた後、ふと思い出したようにメリアドールの方を見た。

彼女もラムザの事が好きだったからである。

 

メリアドールは少し寂しそうな顔を覗かせてはいたが、

おそらくずっと前からこの結末を覚悟していたのか、自分に言い聞かせるようにして…

 

「2人はきっと幸せになるよ」と笑顔で言うのだった。

 

「そうですね。きっと羨ましいぐらいに幸せになりますわ」

ラヴィアンがそれに応える。アリシアは感極まって泣きじゃくっている。

「…うん。アグリアスには…幸せになって欲しい…ラムザだから…心配ない、ね…」

微かに震えた声でそう言った後、メリアドールの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。

それでも彼女は2人の幸せそうな姿を笑顔でまっすぐに見つめている。

そばにいる仲間たちは、彼女が流した涙には気づかなかった。

ただひとり、ムスタディオを除いて。。。

事情を知っているムスタディオには、彼女の笑顔が痛々しく見えたのだった。

 

 

ようやく仲間の気配に気づいた2人。

「えっえっ?…ま、まさか…見ていたのか?」

アグリアスが震えた声で半泣きになりながら訊ねる。

仲間全員頷いている。なぜか言葉がわからないはずのボコやビブロスまで頷いている。

それを見た瞬間、アグリアスは顔を真っ赤にし、恥ずかしさのあまり卒倒するのだった。

それを慌てて抱き起こすラムザ。2人を囲んで笑いが起こる。

 

そして…新たな生活がはじまる。

 

ラムザとアグリアスは機工都市ゴーグに住む事になる。

それはムスタディオの提案だった。

目的を達したとはいえ、世間的にはラムザは異端者として教会から狙われている。

彼が言うには、ここは父ベスロディオをはじめ自分達に好意的な者達が多い。

ゴーグなら2人も安泰に過ごせるだろうという至極最もな意見だった。

ラムザとアグリアス以外にも、アリシア達やアルマ、

そして、メリアドールやオルランドゥなどもこの街に住む事を決めたのだった。

 

結婚式は努めて簡素に行われた。自分達の追われる立場を考えれば当然だった。

場所は人通りの少ない静かで薄暗い、小さな広場で行われた。

参列者は仲間達やベスロディオなど機工士連中のみ。

2人が貴族出身なのを考えれば、寂しく感じるそんな結婚式だった。

 

だが2人は幸せを体一杯に感じていた。

本来ならこのイヴァリースでこんな幸せを味わう事など想像できなかったのだから。

仲間達も精一杯の祝福をする。

寄り添う2人。中でも純白のドレスに身を包んだアグリアスの姿は

誰しもが目を奪われる程美しく、息をすることすら忘れるほどだった。

少しはにかみながらも、嬉しさに頬を緩め涙ぐむ彼女の姿は、

初めて皆に見せる、女としてのアグリアスだった。

2人が口づけを交わした瞬間、歓声があがり、式は最高潮になる。

2人は皆に見守られながら、決意を新たに共に生きていく事を誓うのだった…。

 

式を挙げた後、

ラムザとアグリアスはベスロディオ達が用意してくれた小奇麗な空家に住む事になった。

そこは、閑静な住宅地。

ちょくちょくアルマやムスタディオがおじゃましにくるが、

それ以外にはほとんど邪魔も入らず、新婚夫婦にはもってこいの環境だった。

 

そして数週間後。。。

 

今日もアグリアスは朝早く起き、愛する夫の為、料理に一生懸命になっていた。

この時の為にアリシアとラヴィアンから色々と教わっていたのだ。

最初はアグリアスの作るそれは野性味溢れる料理だったが、

剣の鍛錬よりも厳しいアリシア達の指導のお陰で、今では驚くほどにうまくなっている。

 

一方、ラムザはまだベッドの中で熟睡している。

 

窓から差し込める陽光が、テーブルに置かれたグラスを照らしてきらきらと光り輝いている。

涼しさを感じさせる爽やかな風に、小さな木の葉が踊るように舞っている。

それらが奏でる音色がすっきりとした空気に響き渡る。

 

そんな清々しい朝の部屋にスープのいい匂いが立ち込み始めた。

ようやく料理が完成したようだ。

アグリアスはよしっという感じで頷いて、料理をテーブルに運ぶ。

そして最近日課になりつつある、彼を起こす儀式がはじまるのだ。

 

「ラムザ…起きて。」

「…」

「ラムザ…起きなさい。朝よ、起きてラムザ…」

いつも通り彼の反応は悪い。

アグリアスは少し困ったように首を傾げる。

「むぅ…じゃ、」

「…あ、あなた…起きて…」

ちゅっ

「う…う?」

「おはよう、ラムザ」

「あ、お、おはよう」

ようやくラムザは目を覚ましたようだ。

「あれ?今日もなんかあたたかいものがふれたような…」

「そ、そうか?気のせいだろ。さ、早く着替えて朝食を食べよう」

「うん、そうだね」

しばらくしていつものように朝食が始まる。

テーブルの上にはスープとこんがり焼けておいしそうなトーストが並べられている。

トーストの隣りにはアルマが差し入れてくれる手製のイチゴジャム。しかもかなり甘い。

甘党のラムザのためにわざわざ作るらしい。本当に兄思いの妹である。

 

そしてラムザが飲むのはおなじみのミルク。アグリアスもミルクである。

旅をしていた最初の頃は彼女は紅茶が好きだったはずだが、

なぜか一緒にいるうちにミルクが好きになったらしい。

ラムザが「気にしないで」とは言うが、アグリアスはいつもこう返す。

「気を使ってなんかいない。お、おまえの好きなのは、ぜ、全部…好きだから…」

恥ずかしいからかラムザを見ずに、いつもテーブルに向かって顔を真っ赤にしながら言うのだ。

こんな所は旅をしていた頃と少しも変わっていない彼女だった。

 

ラムザはスープを口にするうちにふと思い出した。

 

「そういえば…アグリアスさんにスープかけられた事あったっけ?」

「あぐ…へ、変な事思い出すなラムザ。それにあれは…」

「わかってますよ。僕のためを思って…ですよね?」

「…そうだ、私なりに本気だったんだからな。」

そう言ってアグリアスはスープをスプーンでくるくる回して頬を膨らます。

年上のはずの彼女だけどこんな子供っぽいしぐさがまた可愛く見える。

 

「でも、僕もアグリアスさんがムスタとよく一緒にいたから焼きもち妬いちゃったよ」

「ふふ…お互い様だ。」

こうしていつものように朝が過ぎる。2人にとって心から幸せと感じるひとときだった。

 

そして日が高く昇り、少々暖かくなってきた午後の静かな街…

今日はムスタディオやアルマなどゴーグに住んでる仲間たちがこの家に来る事になっていた。

久しぶりに一同に会して楽しく飲もうというムスタディオの提案だった。

早速、近くに住んでいるムスタディオとアルマがやってきた。

アルマは両手にお花や飲み物などたくさん抱えている。相変わらずの兄思いだ。

 

「やあ、おふたりさん。今日も仲良くやってるかい?」

「うん、仲良くやってるよ、ね。アグリアスさん」

ムスタディオが元気に声をかけてくる。

いつもはアグリアスに対して少々セクハラ発言をする彼なのだが、

以前アルマにきついお仕置きを食らってからは発言に気をつけているようだ。

 

「兄さん、お姉さんこんにちは。」

アルマがいつものように丁寧にお辞儀する。

「やあアルマ。今日もそんなにたくさん…。気を使わなくてよいのに」

アグリアスもいつもの言葉を返す。

「いいえぇ、兄さんのためなら何でもします。もちろんお姉さんのためにもね。

それにしても、兄さんはまだお姉さんの事を「さん」づけしてるの?」

「うん…こっちの方が言いやすいんだ。別に駄目じゃないだろ?」

「ふふ、私も呼び捨てでいいと言ってるんだがな…」

アグリアスとアルマの視線にラムザはばつが悪そうに頬を掻く。

 

2人を家に招き入れ紅茶を入れる。いつものように雑談が始まる。

「で、どうなんだラムザ?アグ姐の料理はうまくなったのか?」

「うん、そりゃーもう。驚くほどだよ、夕食で食べてみなよ」

「そうかそうか、じゃあ夕食が楽しみだな」

「…おい、それは今までが、 ま ず か っ た ということか?」

「え?あ…」

アグリアスの冷たい視線にうろたえる2人。アルマが横で笑っている。いつもの光景だ。

 

しばらくして、アリシアとラヴィアン、そしてメリアドールにオルランドゥ伯もやってきた。

 

「お久しぶりですアグリアス様。ラムザ隊長もお元気そうで何よりです」

アリシア達の笑顔も久しぶりだ。戦いの時とは違い、彼女達は平服姿。

綺麗におしゃれをしており、彼女達のセンスの良さをうかがわせる。

 

「おおラムザ、それにアグリアス。元気そうでなによりだ」

「ありがとうございます。シド様もお元気そうで。」

ラムザはまるで父に接するが如く丁寧にお辞儀する。

オルランドゥ伯は戦いの後、

メリアドールと共に、小さな建物にひっそりと住み始めた。そこで学問を教えているらしい。

行く当てのなかったメリアドールを誘い、彼女を我が子のように可愛がっているのだった。

 

「こんにちはラムザ。アグリアスも。元気そうね」

「おまえも元気そうで良かった。さ、中に入ってくれ」

アグリアスが笑顔でメリアドールを中に招き入れる。

 

メリアドールは胸に小さな子猫を抱いていた。一匹で雨に濡れている所を拾ったらしい。

オスだったので名前を「ラム」と名付けたのだそうだ。

アリシアたちは何も知らないので「ラムザラムザ~」とからかうが、

事情を知っているアグリアスやムスタディオは、彼女にとっては大切な名前なのだからと、

別に何か言う事も無く、その子猫を優しく撫でてやる。

撫でられて喜んでいる子猫のラムを、メリアドールは目を細めて、

まるで自分が誉められているかのように嬉しそうに眺めるのだった。

 

日が傾きかけた頃、たくさんの食べ物や飲み物を並べて夕食が始まった。

すでにムスタディオとオルランドゥ伯はできあがっている。

「しかし本当に伯はよく飲むな…」

アグリアスは素直に驚きを口にする。

「いつもはそんなに飲まないんだけど…本当に嬉しいのね。今日は特別みたい。」

メリアドールはできあがった2人を見ながら苦笑した。

彼女の膝には、子猫のラムが丸くなって気持ちよさそうに寝息を立てている。

 

「うめぇ、ほんとにうめえよ。アグ姐もやればできんじゃんかよ!」

ムスタディオはアグリアスが作った牛肉のシチューをおいしそうにほおばる。

「アグリアスさんの作るものはなんでもおいしいよ」

ラムザがすばやくフォローを入れてにっこり笑う。

ムスタディオはアルマから口を慎むように横から肘打ちを喰らってはいるが、

酒が入った彼にはもうどうでもいいらしい。

以前はチョコボエッグの目玉焼きなど、簡単なものしか作らなかった彼女が

今では微妙な味付けを完璧にこなし、さらに盛り付けも工夫する上達振りだ。

 

「やっぱりラムザへの愛の力がそうさせたのね。ね、アグリアス」

「む…べ、別に……その…自分がおいしいのを食べたかったからだ…」

メリアドールにからかわれるように言われ、アグリアスは照れ隠しでそんなことを言う。

メリアドールもこんな冗談を言えるぐらいなので、

どうやら失恋のショックからは立ち直っているようだ。

 

「アグリアス様なら料理がうまくて当然ですわ。今までは興味がなかっただけですから」

赤ワインで少し頬を赤く染めたラヴィアンがまるで自分を誇るように言う。

「そうそう、アグリアス様はラムザ隊長の為ならなーんでもするんですよーっ」

「なっなんでも!?じゃ、じゃあ夜のいとな」(がすっ!!)

アリシアの含みのある発言にすぐ飛びついたムスタディオへ、アルマのアッパーが炸裂。

 

膝から崩れ落ちる彼を尻目にアリシアが続ける。彼女は酒が入るとよくしゃべる。

「だって結婚前にも色々聞いてくるんですよ~。もちろん夜…」

「わぁーっわぁーっわぁーっ」

アグリアスが顔を真っ赤にして必死にアリシアの口を塞ぐ。

「もがもが…ラムザ…隊長も、もが…今日の夜を…楽しみにもがもがっ!」

「こっこのぉーっ!それが上司に対する態度かーっ!?」

アグリアスとアリシアはもつれ合うように暴れまわる。それをラヴィアンが笑って見ている。

 

「ふーん、アグリアスも意外と積極的なのかしら?」

メリアドールはラムザをちらちら見ては含み笑いしている。

「はははっでもアグリアスさん達は昔からこうだったんだろうね」

「そうみたい。うふふ、本当に愉快な人たち。」

ラムザとアルマ、メリアドールは食事を口にしながら

そんな光景を楽しそうに眺めているのだった。。。

 

そして…

食事も終わり、皆家路につく時間になった。外はもう真っ暗だ。

酔いとアルマのアッパーで足に来ているムスタディオを、ラヴィアンとアルマが担いで帰る。

アリシアは、アグリアスに頬を思いっきりつねられたお陰で、

酒で赤くなった頬をさらに赤く染めていた。

それでも、何度もアグリアス達の方を振り向いては手を振って帰っていく。

お酒に酔ってもいつもと変わらない、元気なアリシアのままだった。

 

メリアドールは同じくぐてんぐてんに酔ってしまった伯をおんぶする。

そしてラムザとアグリアスに何度もお礼を述べた後、アルマ達とは違う方向へと帰っていく。

子猫のラムがその後ろをちょこちょことついて行き、

メリアドールの足にじゃれてくっつく光景がなんとも微笑ましかった。

 

「ふぅーっ…賑やかだったな」

アグリアスは少し疲れた表情と満足そうな表情を交互に見せながら、

ラムザの座るソファーの隣りに腰掛ける。

「うん、本当に楽しかった。久しぶりだったしね。またしようよ」

「そうだな。今度は是非、ラファやマラーク、ベイオウーフ達にも来て貰いたいな」

賑やかだった空間が静かになって、2人は今日一日が本当に楽しかった事を確認しあう。

「さて、後片付けしないと…」

アグリアスはそう言って立ち上がり、目の前の皿を片付けようとした。

 

「アグリアスさん…」

「あ…」

 

ラムザに後ろから急に抱きしめられてアグリアスは少し驚いた。

「アグリアスさん…さっき…アリシアが言ってた事…」

「え…あ、でも…後片付けしないと…」

アグリアスがそういい終わらぬうちに、ラムザがアグリアスの唇を奪う。

「う…ん…あ…」

アグリアスは少し抵抗はしたもののすぐにその抵抗は消え体の力を抜いた。

ラムザの方に向き直して、今度は自ら求めるように上目遣いにラムザを見る。

どちらともなく2人は顔を寄せ合い、そしてお互いを確かめ合うようにキスをした。

 

長く熱いキスが続く。

そう、彼らの夜は長い。

なぜなら彼らは今、新婚生活なのだから。。。

 

 

~fin~

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