ラムザ×アグリアス
吾輩はチョコボである。名前はボコという。 どこで生まれたのかあまり定かでない。 なんでも薄暗い巣の中で、卵の殻を尻にのっけて クエクエ鳴いていたことだけ覚えている。
アグリアス・オークスはとても緊張していた。人を待っていたのだ。 ただ待つ、ということがこれほどの緊張を強いるものだと、アグリアスは知らなかった。叙任式で国王陛下の来臨を待っていたときだって、気分が引き締まりこそすれ、こんな、どうしたらいいか…
ざわついた雰囲気の街、機工都市ゴーグの中心から少し離れた静かな住宅街。 そこに一組の新婚夫婦が住み始めていた。 その夫婦とはラムザとアグリアスである。
今日も旅を終え、自治都市ベルベニアに来ていた。 旅の疲れを癒すために一行は酒場で一杯やっていたのだった。 みんな思い思いの場所に座り、ひたすら酒を飲む者もいれば よもやま話に花を咲かせたりと、緊張感から解き放たれる今を楽しんでいた。
今日の戦闘も終え、野営の準備も終わり、 各自思い思いの時間を過ごしていた。 ムスタディオとマラークはオルランドゥ伯の指導のもと、 ひいひい言いながらひたすら腕立て伏せにいそしんでいる。 ちなみに伯は鬼コーチとして仲間内では有名である。 ラファや…
ある街の夜のバーにて… カウンターの片隅でめずらしくラムザが杯を傾けていた…。 いや、もといミルクを傾けていた…。 「ラムザ、待ったか?すまんすまん」 申し訳ないそぶりを全く見せずに言いながら、ムスタディオが隣りに座った。 「で、なんだ?話って」 …
静かな夜の寝室になにかうめくような声が聞こえる。 「あうぅ、うう…す、スープ…スープがぁ…」 (バッシャーン!!) (わぁーーーーっ!!!) 「Σ(゜Д゜;)はっ!!」
「ふぅ…」 一人の女性がため息をついていた。アグリアスである。 (あの一件以来、メリアドールは少しずつ変わっているように思える。) 以前は意見を求められても、周りの大勢の意見に同調するばかりだったのが、 ちょこん、と手をあげ二言、三言ではあるが…
メリアドールがラムザ一行に加わって少したった頃… それは、貿易都市ドーターへ向かう手前にある森の中で起こった。 一度は敵対し、ラムザの命を奪う事に執念を燃やしたメリアドールは 今では和解しラムザ達と行動を共にしていた。
太陽は昼間のはつらつさを失い、名残の赤をいっぱいに投げかける。 僕は薬屋の親父から品物を受け取って、店を出た。 夕餉の支度に急ぐ母親。友達に大声でさよならを言って家を目指す子供。 動から静への間隙があった。
小鳥のさえずりが聞こえる。朝日に挨拶しているのだ。 街の活力は日光に比例して増えてゆく。 貿易都市ドーター。毎日大量の物、人、カネが行き来する街だ。 「う…ん…」 安宿の一室。カーテンの隙間から差し込む光が、ベッドの人物の頬を優しくなでる。 「朝…
最近、ラムザ・ベオルブには悩みがある。 見上げれば目の先へどこまでものぼっていく深い青色の空に、 淡い灰色の雲がちぎって浮かせたようにまばらに流れている。 高いところを吹く風の遠いうなりがかすかに聞こえてくる。ラムザは秋の空が好きだった。
最終決戦の地オーボンヌ修道院を目指すラムザ一行。 途中のゼイレキレの滝のランダムバトルにて悲劇が起こった。 「うわーーーーーー!!」 「ラムザぁ!!」 アグリアスの声もむなしく滝壺に落ちるラムザ。 「ラムザぁ!大丈夫かぁ!」 しかし返事はない。…
「ラムザが目指す先、そこへ俺たちも向かうだけさ……」 持ち前の不敵な笑顔でマラークは事も無げに言った。 軽く微笑み、ラファも頷いた。 「しばらくはこの国を旅しようと思う。こんな老いぼれにも色々と出来る事はあろう」 「危険もありますが、私もシド様…
星の綺麗な夜。今日も寝付けなかったアグリアスはすっかり習慣となってしまった散歩に出かけた。 多くの戦いの中に身を置くがあまりに鋭敏になってしまった神経はそうやすやすと彼女を眠りへとは誘ってくれないらしい。 この季節の夜の散歩は少し冷える。 ア…
いつ終わるとも分からない戦いの日々……。 とは言え、戦士たちにも安らぎのひと時は必要だ。明日からは今後の砂漠越えに備え、物資の補給と皆の骨休めを兼ねての久々の休息となる。 ふと訪れる幾ばくかの静寂。私はこの喧騒けたたましい日々の隙間に入り込む…
僕の名前はラムザ・ベオルブ。ベオルブの名を受け継ぐ者の一人だが、色々と思うところがあり、今は傭兵となって行動をしている。 この世界は想像以上に過酷だ。おかげで、自分が今までどれだけ恵まれた環境にいたのかに気付く事が出来た。そして、自分の弱さ…
仲間が増えてくるとこういう事が起きてくる訳で… 「あれ~?このダイヤソード俺のじゃないぞ?」 「ちょっと!アタシのシャンタージュ使ったの誰よ!」 ぎゃあぎゃあ……
アグ「露天風呂とは気持ちのいいものだな。この宿なかなかよい趣味をしている。しかし解放感がありすぎて少々不安にもなる。今や我らは様々な組織から追っ手をかけられる身。だからこうして剣だけはかたわらに置いて命の洗濯をしているのだ。むっ、誰か来た…
酒場。 昼は雇われ仕事を求めて戦士達の集うこの場所も、夜になれば本来の職分を取り戻す。 喧噪の店内。 壁際の席を3人の女が占めている。 ルザリア聖近衛騎士団の俊英アグリアス・オークスとその部下二人である。オヴェリア王女の護衛を任じられ、現在は…