FFT_SSの日記

インターネッツにあるFFTのSSや小説を自分用にまとめてます。

【FFT SS】秋霖

あまり知られていないことだが、ラヴィアンとラムザは声質がちょっと似ている。 ある時、ラヴィアンが風邪をひいてのどを痛めたことがあった。もともと低めだった声が しわがれてハスキーになり、 「そのままの方がかっこいいわ」 などと、女性陣に受けてい…

【FFT SS】月夜

月の明るい、風のない夜だった。これという理由もなく、眠りから覚めた。 あたりはまだ寝静まっている。こういう時は、体が眠り以外のものを欲しているのだ。アグリアスは そうっと、起こさないようにラヴィアン達をまたぎ越え、足元に気をつけながら馬車を…

【FFT SS】美しきアグリアス・決闘の捕虜収容所

ツィゴリス特別女子収容所。その名を聞いて震え上がらない者はない。 どこまでも鬱々と広がる有毒湿地帯のただ中に立つ、分厚い壁に囲まれたこの無愛想な 建物は、一名を最終監獄という。その門をくぐった女が、生きてふたたび出てくることはない。 終身刑か…

【FFT SS】月夜風呂

ルザリア北部に広がるユーグォの森は、五十年戦争以来、死霊の徘徊する魔所として 知られている。猟師もめったに立ち入らず、近隣の農民が薪を取るために、時折おっかな びっくり森の入口付近をうろつく程度で、街道を通る旅人も少ない。 森の北側には急峻な…

【FFT SS】同窓生

ハイ、あたしサンドラ。サンドラ・ラスカリス。 泣く子も羨むアカデミーの士官候補生。だったんだけど、戦争の始めのころに民兵騎士団の 統率なんてむっさい役目に派遣されちゃったのが運の尽き。

【FFT SS】竜の眠る納屋

深夜。 ザーギドス一を自称する汚らしい宿屋の裏手に設けられた厩へ、足音を忍ばせて 入ってくる者がある。 「レーゼ。レーゼ、元気にしているかい」 答える低い唸り声はドラゴンのもの。つい先日、晴れて異端者一行の一員となった 剣士ベイオウーフと、謎め…

【FFT SS】アルマ「兄さんと私って夫婦だって思われてるみたいよ」

ラムザ「ここじゃ身分を隠して暮らしてるからね」 アルマ「兄さん、嫌じゃないの?」 ラムザ「協会は異端者の兄妹を探してるだろうから、かえって都合がいいよ」 アルマ「そうじゃなくて、兄さんは私と夫婦と思われていてもいいの?」 ラムザ「え?構わない…

【FFT SS】ベイオウーフ「ああ、レーゼはオレの恋人なんだ」

ラムザ「……え? 恋人……? このドラゴンが?」 ベイオウーフ「呪われたんだ。けれど、どんな姿だろうとレーゼはオレの恋人さ」 ホーリードラゴン(レーゼ)「///////」 ムスタディオ「凄いな、アンタ。絶対に助けろよ」 ベイオウーフ「……必ず。うん? どうし…

【FFT SS】我輩はボコである

吾輩はチョコボである。名前はボコという。 どこで生まれたのかあまり定かでない。 なんでも薄暗い巣の中で、卵の殻を尻にのっけて クエクエ鳴いていたことだけ覚えている。

【FFT SS】アグリアス・オークスの夜

アグリアス・オークスはとても緊張していた。人を待っていたのだ。 ただ待つ、ということがこれほどの緊張を強いるものだと、アグリアスは知らなかった。叙任式で国王陛下の来臨を待っていたときだって、気分が引き締まりこそすれ、こんな、どうしたらいいか…

【FFT SS】「新婚生活♪」

ざわついた雰囲気の街、機工都市ゴーグの中心から少し離れた静かな住宅街。 そこに一組の新婚夫婦が住み始めていた。 その夫婦とはラムザとアグリアスである。

【FFT SS】赤の光

―――――僕は今でも忘れる事ができない…。 ディリータという名の、親友を失ったあの日の事を――――― ―――――ラムザ!アルガスの次は、おまえの番だッ!!―――――

【FFT SS】宿屋で大ピンチ!?

今日も旅を終え、自治都市ベルベニアに来ていた。 旅の疲れを癒すために一行は酒場で一杯やっていたのだった。 みんな思い思いの場所に座り、ひたすら酒を飲む者もいれば よもやま話に花を咲かせたりと、緊張感から解き放たれる今を楽しんでいた。

【FFT SS】彼女が残した大切なもの

今日は長い旅路だった。 苦労してドルボダル湿原を越え、久しぶりにランベリー城下町に到着したのは 日も落ち暗くなった頃だった。 「久しぶりに帰ってきたな…ここに」 食事も終え、宿の自分の部屋にあるバルコニーでラムザはそう言って、 家の明かりがあち…

【FFT SS】恋のバトル!?

今日の戦闘も終え、野営の準備も終わり、 各自思い思いの時間を過ごしていた。 ムスタディオとマラークはオルランドゥ伯の指導のもと、 ひいひい言いながらひたすら腕立て伏せにいそしんでいる。 ちなみに伯は鬼コーチとして仲間内では有名である。 ラファや…

【FFT SS】ナイスフォロー!?

ある街の夜のバーにて… カウンターの片隅でめずらしくラムザが杯を傾けていた…。 いや、もといミルクを傾けていた…。 「ラムザ、待ったか?すまんすまん」 申し訳ないそぶりを全く見せずに言いながら、ムスタディオが隣りに座った。 「で、なんだ?話って」 …

【FFT SS】思わぬ勘違い!?

静かな夜の寝室になにかうめくような声が聞こえる。 「あうぅ、うう…す、スープ…スープがぁ…」 (バッシャーン!!) (わぁーーーーっ!!!) 「Σ(゜Д゜;)はっ!!」

【FFT SS】誰と迷コンビ!?

「ふぅ…」 一人の女性がため息をついていた。アグリアスである。 (あの一件以来、メリアドールは少しずつ変わっているように思える。) 以前は意見を求められても、周りの大勢の意見に同調するばかりだったのが、 ちょこん、と手をあげ二言、三言ではあるが…

【FFT SS】彼女の心の安らぎは

メリアドールがラムザ一行に加わって少したった頃… それは、貿易都市ドーターへ向かう手前にある森の中で起こった。 一度は敵対し、ラムザの命を奪う事に執念を燃やしたメリアドールは 今では和解しラムザ達と行動を共にしていた。

【FFT SS】燐光

太陽は昼間のはつらつさを失い、名残の赤をいっぱいに投げかける。 僕は薬屋の親父から品物を受け取って、店を出た。 夕餉の支度に急ぐ母親。友達に大声でさよならを言って家を目指す子供。 動から静への間隙があった。

【FFT SS】青水晶

「起床ぉー!起床ぉー!」 朝を告げる声が寮内に響き渡る。アグリアスはほとんど反射的に目を覚ました。 ルザリアの士官学校。貴族の子弟からなる、エリート育成機関である。

【FFT SS】メモリー

その男は突然現れた。 ここ、聖地ミュロンドでは、巡礼者がほとんど毎日訪れる。 見知らぬ人など、珍しくもない。 しかし、彼は巡礼者ではない。巡礼者特有の従順な雰囲気など、全くない。 例えるなら、手負いの狼。身なりはボロボロでも、ギラついた瞳は生…

【FFT SS】目覚めると、隣に

小鳥のさえずりが聞こえる。朝日に挨拶しているのだ。 街の活力は日光に比例して増えてゆく。 貿易都市ドーター。毎日大量の物、人、カネが行き来する街だ。 「う…ん…」 安宿の一室。カーテンの隙間から差し込む光が、ベッドの人物の頬を優しくなでる。 「朝…

【FFT SS】本音の二人

最近、ラムザ・ベオルブには悩みがある。 見上げれば目の先へどこまでものぼっていく深い青色の空に、 淡い灰色の雲がちぎって浮かせたようにまばらに流れている。 高いところを吹く風の遠いうなりがかすかに聞こえてくる。ラムザは秋の空が好きだった。

【FFT SS】ラムザ&らむざ

最終決戦の地オーボンヌ修道院を目指すラムザ一行。 途中のゼイレキレの滝のランダムバトルにて悲劇が起こった。 「うわーーーーーー!!」 「ラムザぁ!!」 アグリアスの声もむなしく滝壺に落ちるラムザ。 「ラムザぁ!大丈夫かぁ!」 しかし返事はない。…

【FFT SS】七月の剣

「ラムザが目指す先、そこへ俺たちも向かうだけさ……」 持ち前の不敵な笑顔でマラークは事も無げに言った。 軽く微笑み、ラファも頷いた。 「しばらくはこの国を旅しようと思う。こんな老いぼれにも色々と出来る事はあろう」 「危険もありますが、私もシド様…

【FFT SS】告白

星の綺麗な夜。今日も寝付けなかったアグリアスはすっかり習慣となってしまった散歩に出かけた。 多くの戦いの中に身を置くがあまりに鋭敏になってしまった神経はそうやすやすと彼女を眠りへとは誘ってくれないらしい。 この季節の夜の散歩は少し冷える。 ア…

【FFT SS】七月の夜

いつ終わるとも分からない戦いの日々……。 とは言え、戦士たちにも安らぎのひと時は必要だ。明日からは今後の砂漠越えに備え、物資の補給と皆の骨休めを兼ねての久々の休息となる。 ふと訪れる幾ばくかの静寂。私はこの喧騒けたたましい日々の隙間に入り込む…

【FFT SS】もしもラムザくんがアグリアスちゃんに出会っていたら

僕の名前はラムザ・ベオルブ。ベオルブの名を受け継ぐ者の一人だが、色々と思うところがあり、今は傭兵となって行動をしている。 この世界は想像以上に過酷だ。おかげで、自分が今までどれだけ恵まれた環境にいたのかに気付く事が出来た。そして、自分の弱さ…

【FFT SS】自分の持ち物には名前を書きましょう

仲間が増えてくるとこういう事が起きてくる訳で… 「あれ~?このダイヤソード俺のじゃないぞ?」 「ちょっと!アタシのシャンタージュ使ったの誰よ!」 ぎゃあぎゃあ……